
NHK杯における前人未到の300点超えが世間を賑わせたのは、2015年11月28日(土)のことだった。
改めてその実力を世界に誇示したあの日から、わずか2週間。12月12日(土)にバルセロナで行われたグランプリファイナルで叩き出したスコアは、なんと330・43点。再び世界記録を更新した羽生結弦は、大会史上初の3連覇を達成してみせた。
どこが凄いのか得点表をよく見るとその凄さが分かるので、調べてみた。
話をNHK杯に戻そう。注目すべきは驚異的なスコア、ではなく優勝決定後のインタビューでの発言だ。
「本当に血の滲むような、辛い練習をしてきた」
さらに、こう続ける。
「これ以上の演技ができるよう、練習を積んでいきたい」と羽生選手!
ソチ五輪で金メダルを獲得した実力者が “死に物狂い” で努力を重ねていた。
さらに、誰も足を踏み入れたことのない300点台の世界に到達したにもかかわらず、当然のように“次のステージ”を目指すことができる。
ここに羽生の本当の強さがあるような気がしてならない。
さっそく点数表を見てみよう!
フィギュアースケート男子シングル世界最高得点の履歴
2006年 プルシェンコ選手 258,33
2008年 高橋大輔選手 264.11
2011年 パトリック・チャン選手 280,98
2013年 パトリック・チャン選手 295,27
2015年(11月28日)羽生結弦選手 322,40
2015年(12月13日)羽生結弦選手 330,43
これまでは、記録更新には、2年、3年、2年とかかったが、羽生選手はわずか2週間で更新したのです。その凄さがわかります。
さらに、ショートとファイナらうの評価表では、
【GPファイナル 2015 (ショート)】
少々醜くなりましたが、雰囲気をつかんでください!
The Judges Panel Secti0n (In randam order)
基礎点 GOE出来栄点 審判員の評価表
1 4S 4サルコウ
10,50 3,00 3 3 3 3 2 3 3 3 3 11,50 ↑13,50
2 4T+3T 4トウループ+3トウループ
14,60 3,00 3 3 2 3 3 3 3 3 3 17,17 ↑17,60
3 FCSp4 フライングキャメルスピン
3,20 1,29 3 3 2 3 2 2 2 3 3 4,27 ↑ 4,49
4 3A 3アクセル
9,35X 2,71 3 3 3 2 2 3 3 3 2 11,78 ↑12,06 GOE +3~-3
5 CSSp4 足換えショットスピン
3,00 1,43 3 2 3 3 3 3 2 2 3 4,21 ↑ 4,43
6 StSq4 ステップシークエンス
3,90 1,50 3 3 3 3 2 3 3 3 3 5,60 ↓ 4,80
7 CCoSp3p4 足換えコンビネーソン
3,50 1,43 3 3 2 3 3 3 2 3 3 4,71 ↑ 4,93
47,45 59,44 ↑61,81
Program Components Factor
Skaiting Skills (スケーティング技術)
1,00 9,75 9.75 9,50 9,75 9,00 10,00 9,50 10,00 9,75 9,39 ↑ 9,71
Transition/Linking Factwork (要素のつなぎ)
1,00 9,75 9,75 9,50 9,75 9,00 9,50 9,50 9,50 9,75 9,18 ↑ 9,61
Performance/Execution (演技/表現力 ) ⇒演技点で10点満点は今までなかった!
1,00 10,00 10,00 10,00 10,00 9,75 10,00 10,00 10,00 10,00 9,50 ↑10,00
Choreography/ Composition (振り付け)
1,00 10,00 10,00 10,00 10,00 9,75 9,75 9,75 10,00 10,00 9,39 ↑ 9,93
Interpretation
1,00 10,00 10,00 10,00 10,00 9,75 10,00 9,75 9,50 10,00 9,43 ↑ 9,98
Judge Total Program Component Score (factored)
46,89 ↑49,14
(50点が満点)
凄さをわかりやすく表現すると(佐野)、
①4回転をSPで2回、フリーで3回、計5回のジャンプを組み込んでいる。
これは世界で2番目に凄いことです。1番は金選手(中国)で6回飛んでいるが十分評価されていない。
②演技の流れを美しく、さらに加点をもらえる工夫を追及している。
【GPファイナル 2015 (フリー)】
フリ-ジャンプ得点内訳 NHK杯
演技構成 基礎点 GOE(出来栄点)
+3~-3 +3~-3
4サルコウ 10,50 2,86 ↑ 3,00 満点
4トウループ 10,30 2,57 ↑ 3,00 満点
3フリップ 5,30 1,10 ↑ 1,90
↓ここから演技後半 ジャンプの基礎点が1,1倍
4トウループ+3トウループ 16,06 1,71 ↑ 2,00
3アクセル+2トウループ 10,78 3,00満点 3,00 満点
3アクセル+1ループ 14,74 2,43 2,43
+3サルコウ
3ループ 5,61 1,00 ↑ 1,50
3ルッツ 6,61 1,50 ↑ 1,80
計 79,89 16,17 ↑ 18,63
「3点満点はなかなか出ないのだ。ジャッジの皆さんが満点つけて肩が圧倒的に多かった。ということです。」
「難しい要素を取り入れたのです。そんなことで3点が取れる場合があるのです。」と佐野 稔(元プロフィギァスケーター)は語った。

GPファイナル2015 (フリー)
MEN SHORT PROGRAM JUDGES DETAILS PER SKATER
(イメージ表にして詳細は省略→最高の出来栄え点3が多数あることに注目!!)
(In randam order)
要素 基礎点 出来栄点 評価点
1 4サルコウ
10,50 3,00 2 3 3 3 3 3 3 3 3 13,50
2 4トウループ
10,30 3,00 3 3 2 3 3 3 3 3 3 13,30
3 フリップ
5,30 1,90 2 2 2 3 3 3 3 3 3 7,20
4 フライング足換コンビネーションスピン(4)
3,50 1,14 2 2 2 2 2 3 3 3 1 4,64
5 ステップシークエンス
3,30 1,36 3 3 2 2 3 3 3 3 2 4,66 GOE+3~-3
6 4トウループ+3トウループ
16,06× 2,00 1 1 2 2 2 3 2 3 2 18,06
7 3アクセル+2トウループ
10,78× 3,00 3 3 3 3 3 3 3 3 2 13,76
8 3アクセル+1ループ+3サルコウ
14,74× 2,43 2 2 2 3 2 3 3 3 2 17,17
9 3ループ
5,61× 1,50 1 2 1 3 2 3 2 3 2 7,11
10 3ルッツ
6,00× 1,80 2 2 3 3 2 3 3 3 2 8,40
11 フライング足換シットスピン(4)
3,00 1,21 2 3 2 2 2 3 3 3 2 4,21
12コレオクラフィックシクエンス
2,00 2,10 3 3 3 3 3 3 3 3 3 4,10
13 足換えコンビネーションスピン
1,29 1,29 2 3 3 2 2 3 3 3 2 4,79
95,19 120,92
Program Components Factor
Skaiting Skills (スケーティング技術 )
2,00 10,00 10,00 9,00 9,75 10,00 9,75 9,75 9,75 9,50 9,79–
Transition/Linking Factwork (要素のつなぎ )
2,00 9,50 9,50 9,25 9,75 9,75 10,00 9,75 9,75 9,50 9,18
Performance/Execution(演技/表現力)
2,00 10,00 10,00 10,00 9,75 10,00 10,00 9,75 10,00 10,00 9,50(演技/表現力)
(10点満点)
Choreography/ Composition (振り付け )
2,00 10,00 10,00 9,75 10,00 10,00 10,00 10,00 10,00 9,75 9,39
Interpretation (音楽の解釈 )
2,00 10,00 10,00 10,00 9,75 9,75 10,00 10,00 10,00 9,50 9,43
Judge Total Program Component Score (factored) 46,89
GOEで25点も取るのは、これまでに見たことないわけであり、
「演技点で10点満点なんて聞いたことがない」と佐野さんのコメントがありました。
ジャッジの方が点数をつけて、最下位と最上位を除外して平均値とする。これが10点になった!ということであり、
いかに、評価が高かったかを物語っております。
「演技/表現力」芸術点もが満点とはすごいことで、日本の古き伝統芸術の一端が評価されたことであり、見事に羽生選手が演じたということになります。
時々あることですが、ここまで高い点数を獲得すると、評価要素の構成と評価方法は、なかなか到達できないレベルを設定して競うのが建前であるので、”評価の考え方”そのものが問題になります。
当然のように、選手の間では、
「満点は見たことがないので、今後は採点方法を変えなけらばならなくなるかもしれない。とメンバー同志で話しておりました!」と武田奈也(元フィギュアスケーター)は付け加えておりました。
これらのことが表に如実の表れております。
GEOについては、いかに調べました。
【GOEとは? GOE(Grade of Execution)は、演技審判によって0をベースとし-3から+3の7段階で評価された各要素のできばえである。 要素毎にそれぞれ評価の観点(着眼点)が設定されている。 プラス評価の対象についてはやや抽象的な表現がされているが、マイナス評価の対象については具体的に定められている。】
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